
30 1月 自然の圧倒的なポテンシャル②:水の物語
水の物語について
那須エリアの水は、自然の恵みと人々の知恵が融合した結果、この地域の豊かな食文化と産業を育み、そしてその影響は遠く太平洋や日本海にまで及んでいます。那須エリアの自然環境、特に水資源の重要性と、それが地域の産業、文化、生態系に与える多面的な影響について深く理解することができます。
水と命の源流
那須エリアから始まる水源は南東北~北関東の太平洋~日本海まで広く流れ出し、森里川海の多様な暮らしを育む、水と命の源流である。
那須エリアには那須連山に降った雨や雪が多くの沢を作り出し、山麓の多様な命や暮らしや産業を支える大切な水をもたらす源流となっています。長い年月を経て複雑な地形を作った結果、その範囲は、広く、那珂川(栃木県、茨城県)、阿武隈川(福島県、宮城県)、阿賀川・阿賀野川(福島県、新潟県)にまたがり、太平洋と日本海の分水嶺、東北と関東の分水嶺にもなっています。
それぞれの川の源流では、山の中腹からの湧水や、多くの沢や渓流が徐々に集まることによって、次第に大きな河川へと姿を変えながら、森を支え、里では人々の生活を潤し、多様な命を育み、豊かな海をつくり出すまでの、壮大な山から海へと注ぐ長い旅が那須エリアから始まっていきます。
お米とお酒の美味しい秘密
那須エリアのお米やお酒の美味しさは、水をはじめとする多くの自然と、携わって来た人々の協同の証である。
那須エリアは、那須岳に端を発する澄んだ水と寒暖差のある気候で、自然の恵みを活かし人々の知恵が作り上げた米の産地です。古くから米づくりが盛んな大田原市は、その名を「大俵」に由来しています。全国コンテストで一位になっているブランド米「那須ひかり」は、普段のご飯でもツヤがあり冷めても美味しさを損なわない特徴があります。 なお、このエリアには数多くの用水組合がありミネラル豊富な水を先人たちの代から大切に山から直接取水して米を育てていることも、美味しさの大事な要素となっています。 また、農業と酪農が隣接し合っていることから、もみ殻と藁を酪農に、牛糞を堆肥にと、循環型農業の伝統が深く根付いていることも美味しさの秘密です。 また、栃木は夏の雷が全国一多いことで知られていますが、これは、関東平野で暖められた空気が日光連山や那須連山にあたり急激に冷やされることで、雷雲が生み出されやすいことに起因しているそうなのですが、実は、この雷が、稲がたくさん水を必要とする時期に多くの雨水をもたらすとともに、近年の研究では、雷により、空気中の窒素が、窒素化合物となって土壌を豊かにし、お米の美味しさが増すことがわかって来たそうです。雷の漢字が「雨に田」と書くことや、稲妻が「稲の妻」と書くなど、古来からの日本人の感覚は正に的を得ていたようです。那須エリアのお米の美味しさには、多くの自然の力と人の力が融合されていたようです。 また、那須岳に端を発する那珂川の伏流水や那須連山の雪解け水などの清らかな水は、美味しいお米と相まって、100年以上の歴史がある日本酒造りの盛んな地です。今も大田原市に6っの酒造が現存し、上質な酒造りが行われています。 また、明治以降は火山由来の良質な土壌を活かした葡萄栽培も盛んでワインの産地としても有名です。2017年には「どぶろく・ワイン特区」に認定されたことで、どぶろく・地ワインや地ビールも人気になり、お酒に精通した店主がいる酒屋で地元の酒を購入することもできます。