30 1月 皇室が愛し地域からも愛された那須のポテンシャル:御用邸の物語
御用邸の物語について
御用邸の存在は、那須地域の自然環境の素晴らしさを公に認知させ、避暑地や別荘地としての価値を高めただけでなく、地域の環境保全や文化的発展にも大きな影響を与えました。このように、那須御用邸の設置は、開拓者たちの努力によって培われた那須のポテンシャルが皇室によって認められた証であり、それ以降も地域の発展と自然保護の象徴として重要な役割を果たし続けています
皇室が愛した那須
那須御用邸は那須の自然と歴史を象徴する存在であり、現在の那須が持つ上質な雰囲気の源泉であり、豊かな自然環境に深く関わっている。
那須エリアは、昭和天皇が1923年(大正12年)に訪れ、その自然の美しさに感銘を受けて1926年(大正15年)に那須御用邸用地として選ばれた地である。那須御用邸は現存する全国の御用邸の中では最古で、昭和天皇を始め、代々の皇室の避暑、ご静養の場として利用されています。生物学者でもあった昭和天皇は那須御用邸を、生物研究の拠点としても発案され、毎年夏に1ヶ月間滞在し、那須岳に登山するなど、滞在中は専門家と共に様々な植物を調査し、栃木県の絶滅危惧種である「ナスヒオウギアヤメ」の発見、命名にも繋がり、「毎年、夏を那須で過ごす。六月に来たこともあるがごくわずかで、主として七月半ばから、九月のはじめまでである。それをしあわせとして、付近の自然を楽しむことにしている。」と自身の著書「那須の植物誌」の序文にも記されています。平成20年には当時の天皇陛下のご意向で、御用邸用地の約560ヘクタールが環境省に移管され、「国民が自然にふれあえる場」として開園した「那須平成の森」では、皇室が愛した豊かな自然に触れることができます。
また、那須御用邸が置かれたことで、自然や景観の価値が評価され、それは、厳しい自然と葛藤しながらも暮らしを紡いできた地域の人々に大きな希望を与えたほか、避暑地、別荘地としての評価に、今もなお良い影響を与えているほか、御用邸に繋がるまでの那須街道の赤松林やアジサイ群等の景観の美しさが保たれているなど、那須の上質な佇まいの源泉にもなっています。
そして、今もなお、現役の御用邸として、毎年の皇族のご静養の地として使用され、昭和天皇の心情と皇室との深いつながりをはじめ、那須の人々にとっても、その自然と歴史を象徴するものなのです。